詩 の 原 故 郷 を 求 め て
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先住民のアイヌ詩人森竹竹市から始まり、東北の宮沢賢治、関東の新川和江、中部の浜田知章、関西の志村ふくみ、中国の永瀬清子、四国の岡本彌太、九州の渡辺修三、沖縄の島々を詠う真久田正まで、全国を九つの地域に分けてその地域を代表する物故詩人の詩篇を初めに置き、現役の詩人たちは多少の前後の入れ替えはあるが年齢順に配列されている。(帯文)

戦場に散った兄に守られて

2008年度版
 『生活語詩 二七六人集 山河編

2008年9月27日発行
有馬敲・山本十四尾・鈴木比佐雄編
装丁画:「稔りの会津(2)」斉藤清
福島県立美術館 所蔵
扉絵:亜久津あゆむ
A5サイズ/432頁/上製本
■定価2100円(税込)

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【参加者一覧/目次】

◆北海道
森竹 竹市/更科 源蔵/小熊 秀雄/武田 隆子/八森 虎太郎/原子 修/木村 淳子/高橋 絹代
麻生 直子/葵生川 玲/ささき ひろし/日高 のぼる/港 敦子/後藤 美和子
◆東北
宮沢 賢治/草野心平/白鳥 省吾/高木 恭造/真壁 仁/大関 松三郎/三谷 晃一/村上 昭夫
畠山 義郎/川村 慶子/鎗田 清太郎/和田 文雄/亀谷 健樹/矢口 以文/斎藤 彰吾/未津 きみ芳賀 章内/堀内 利美/吉田 博哉/佐佐木 匡/工藤 優子/結城 文/若松 丈太郎/山形 一至
朝倉 宏哉/原田 勇男/前原 正治/齋藤 和子/吉田 慶子/森 三紗/後藤 基宗子/石村 柳三
うおずみ 千尋/北畑 光男/遠藤 一夫/三浦 幹夫/佐々木 洋一/斗沢 テルオ/新井 豊吉 
◆関東
萩原 朔太郎/伊藤 信吉/菅原 克己/関根 弘/鳴海 英吉/寺門 仁/山田 今次/呉 美代
新川 和江/西村 啓子/大岡 信/中原 道夫/黒羽 英二/塚本 月江/市川 つた/久保田 穣
曽根 ヨシ/菊田 守/山本 十四尾/國井 世津子/富田 和夫/野仲 美弥子/馬場 晴世
相良 蒼生夫/川奈 静/岡田 優子/金子 以左生/香野 広一/末原 正彦/内藤 紀久枝
大掛 史子/米川 征/鈴木 文子/堀江 泰壽/青柳 晶子/山佐木 進/和田 正子/越路 美代子
飯嶋 武太郎/奥津 さちよ/都月 次郎/三浦 健治/水崎 野里子/五島 節子/相沢 正一郎
ごしま たま/豊岡 史朗/倉田 良成/森田 海径子/山本 聖子/片岡 伸/鈴木 比佐雄
石下 典子/星 清彦/塚本 敏雄/房内 はるみ/金井 雄二/佐相 憲一/武藤 ゆかり
星野 典比古/葛原 りょう/亜久津 あゆむ
◆中部
浜田 知章/浜口 國雄/宮本 善一/小島 禄琅/栗和 実/岡崎 純/深沢 弘信/埋田 昇二
千葉 龍/安永 圭子/稲木 信夫/宮田 登美子/徳沢 愛子/山之口 獏/郡山 直/田上 悦子
岸本 マチ子/高良 留美子/飽浦 敏/坂木 玄理/宮城 松隆/真久田 正/池田 瑛子/秋山 泰則山崎 佐喜治/八木 忠栄/忍城 春宣/近岡 礼/岡村 直子/和田 攻/阿部 堅磐/酒井 力
吉村 伊紅美/こまつ かん
◆関西
河上 肇/村山 槐多/小野 十三郎/錦 米次郎/福中 都生子/東淵 修/木島 始/志村 ふくみ
長谷川 龍生/坂上 清/村田 辰夫/丸本 明子/島田 陽子/直原 弘道/鳥巣 郁美/津坂 治男
曽我部 昭美/有馬 敲/山本 倫子/原 圭治/下村 和子/川原 よしひさ/香山 雅代/名古 きよえ青木 はるみ/日高 滋/外村 文象/井上 哲士/中岡 淳一/横田 英子/根来 眞知子/伊藤 眞司平原 比呂子/奥村 和子/瀬野 とし/司 由衣/後山 光行/永井 ますみ/桃谷 容子/小川 聖子
淺山 泰美/真田 かずこ/北原 千代/北村 真/若松 千恵子
◆中国
中原 中也/永瀬 清子/米田 栄作/峠 三吉/坂本 明子/御庄 博実/大原 勝人/水谷 なりこ
皆木 信昭/山下 静男/田村 のり子/福谷 昭二/松田 研之/杉本 知政/くにさだ きみ
西岡 光秋/なんば・みちこ/白河 左江子/長津 功三良/岡 隆夫/上田 由美子/伊藤 眞理子
今井 文世/松尾 静明/日笠 芙美子/吉田 博子/壷阪 輝代/井野口 慧子/北村 均/高田 千尋重光 はるみ/田尻 文子/藤原 由紀子/一瀉 千里/大山 真善美/小坂 顕太郎林 木林
◆四国
岡本 彌太/扶川 茂/大崎 二郎/西岡 寿美子/山本 衞/片岡 文雄/小松 弘愛/図子 英雄
山本 泰生/堀内 統義/大西 久代/森原 直子/玉井 江吏香/キム・チャンヒ
◆九州
北原 白秋/嵯峨 信之/渡辺 修三/富松 良夫/上田 幸法/金丸 桝一/福田 万里子/山田 かん杉谷 昭人/倉岡 俊子/中原 澄子/田中 詮三/丸山 勝久/石川 逸子/岡山 晴彦/岡 耕秋
富永 たか子/南浜 伊作/門田 照子/池山 吉彬/宮内 洋子/柳生 じゅん子/丸山 由美子
豊福 みどり/龍 秀美/堀田 孝一/吉田 美和子/崔 龍源/宇宿 一成/青柳 俊哉/田中 洋子
◆沖縄・南西諸島
山之口 獏/郡山 直/田上 悦子/岸本 マチ子/高良 留美子/飽浦 敏/坂木 玄理
宮城 松隆/真久田 正

 

【詩を紹介】


◆高原   ――宮沢賢治/東北
海だべがど おら おもたれば
やつぱり光る山だたぢやい
ホウ
髪毛 風吹けば
鹿踊りだぢやい

◆京都人の夜景色   ――村山槐多/関西
ま、綺麗やおへんかどうえ
このたそがれの明るさや暗さや
どうどっしゃろ紫の空のいろ
空中に女の毛がからまる
ま、見とみやすなよろしゆおすえな
西空がうっすらと薄紅い玻璃みたいに
どうどっしゃろえええなあ
ほんまに綺麗やな、きらきらしてまぶしい
灯がとぼる、アーク燈も電気も提灯も
ホイッスラーの薄ら明りに
あては立って居る四条大橋
じっと北を見つめながら

虹の様に五色に霞んでるえ北山が
河原の水の仰山さ、あの仰山の水わいな
青うて冷たいやろえなあれ先斗町の灯火が
きらきらと映すとおすわ
三味線が一寸もきこえへんのはどうしたのやろ
芸妓はんがちらちらと見えるのに

ま、もう夜どすか早いなあ
あ空が紫でお星さんがきらきらと
たんとの人手やな、美しい人ばかり
まるで燈と顔の職場
あ、びっくりした電車が走る
あ、こわかった

ええ風が吹く事、今夜は
綺麗やけど冷たい晩やわ
あては四条大橋に立って居る
花の様に輝く仁丹の色電気
うるしぬりの夜空に

なんで、ぽかんと立って居るのやろ
あても知りまへんに。

◆弾を浴びた島   ――山之口貘/沖縄・南西諸島
島の土を踏んだとたんに
ガンジューイとあいさつしたところ
はいおかげさまで元気ですとか言って
島の人は日本語で来たのだ
郷愁はいささか戸惑いしてしまって
ウチナーグチマディン ムル
イクサニ サッタルバスイと言うと
島の人は苦笑したのだが
沖縄語は上手ですねと来たのだ

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ただいま≠ニいえる時間が長いほど人は幸せであり、ただいま≠ニいつか自分に語りかけてくる時がくる淋しさを豊福みどりは透明かつ空気のようにやさしく作品で証している。(帯文/山本十四尾)

探り箸

 豊福みどり詩集
『ただいま』

2008年8月25日発行
栞解説文:鈴木比佐雄
A5サイズ/128頁/上製本
■定価2100円(税込)

書評を読む

【目次】

◆第T章 
袋/ただいま/うたた寝/パーツ/魔女/いつの間にか/などと/雷鳴/団塊/午後の空へ/足/棲む/雑草
◆第U章
干しえび/椋鳥の悪戯/ツバメ/行き先/言葉/不安/待合室/噴水/帰途/少年兵 フラニス/心中
◆第V章 
赤いカンナの咲く道で/つばめのお礼/百舌の速贄/冬の鳥/蜘蛛の意図/蓑虫/コンドルの背中/曲芸/右往左往/茸狩り/どくだみ草/風の道/真実/カタカタ/会話
◆あとがき

【詩を紹介】

『ただいま』

私は時々 空を飛ぶ
遠い親鳥に会いに行くため

親鳥は
羽の繕いをしながらも
とんと 羽ばたくことはなくなった
いつも
私を産んだ場所で
首を長くして待っている
「ただいま」と言って
巣に戻る私を
三本足の
心もとない足取りで
迎えてくれる

いつまでも
親鳥が
私を産んだことを
忘れないように
再会した時は
二羽でじっと にらめっこする
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