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2023年8月刊行予定の新アンソロジー『多様性が育む地域文化詩歌集―異質なものとの関係を豊かに言語化する』の公募詳細です。

『多様性が育む地域文化詩歌集―異質なものとの関係を豊かに言語化する』公募趣意書

◆出版内容=「多様性」は「地理的多様性」、「生物多様性」、「文化的多様性」などが深いつながりを持ってこの世界の地域文化として暮らしを活性化させる。それを詩歌の言葉の力より顕在化させたい。

◆A5判 約三五〇~四〇〇頁 本体価格一八〇〇円+税

◆発 行 日=二〇二三年八月頃刊行予定

◆編   者=鈴木比佐雄、座馬寛彦、鈴木光影、羽島貝

◆発 行 所=株式会社コールサック社

◆公   募=二五〇名の詩・俳句・短歌を公募します。作品と承諾書をお送り下さい。既発表・未発表を問いません。趣意書はコールサック社HPからもダウンロード可能です。http://www.coal-sack.com/

◆参 加 費=一頁は詩四十行(一行二十五字)で一万円、二冊配布。二頁は詩八十八行で四冊配布。校正紙が届きましたら、コールサック社の振替用紙にてお振込みをお願い致します。

◆しめきり=二〇二三年四月末日頃(本人校正一回あり)

◆原稿送付先=〒一七三‐〇〇〇四

      東京都板橋区板橋二‐六三‐四‐二〇九

◆データ原稿の方=〈m.suzuki@coal-sack.com〉(鈴木光影)までメール送信お願いします。

【よびかけ文】

ドイツの哲学者テオドール・アドルノの「アウシュヴィッツのあとで詩を書くことは野蛮である」という言葉は、世界中の詩人や文学者の創作行為に深い問題提起をした。その後に刊行されたアドルノの主著『否定弁証法』中では、《永遠につづく苦悩は、拷問にあっている者が泣き叫ぶ権利を持っているのと同じ程度には自己を表現する権利を持っている。その点では、「アウシュヴィッツのあとではもはや詩は書けない」というのは、誤りかもしれない。》と、表現する権利は否定するものではないと軌道修正をしている。アドルノの言説に私は、詩の言葉や芸術に敬意を抱くハイデッガーを初めとするドイツの哲学者たちが哲学と言葉の本質的な関係を問う誠実さを感受する。アドルノの『否定の弁証法』の序論の中で次のような生々しい格闘の痕跡がある。《芸術を模倣し、みずから芸術作品たろうとするような哲学は、自分自身を抹殺することになろう。そうした哲学は、同一性の要求、つまり、対象がおのれに同化することを要請するだろう。なぜなら、哲学にとっては異質なものとの関係こそがまさしく主題であるのに、この哲学はおのれの方法に、素材である異質なものがアプリオリに従わねばならぬ至上権を認めようとするからである。(略)概念によって概念を超え出ようとする努力こそが、哲学の仕事なのである。》アドルノは文学や芸術に深い敬意を抱いているからこのような言説を放ったのだろう。文学者・芸術家もまたその真摯な問いを受けて、「異質なものとの関係こそがまさしく主題」であるというアドルノの言葉を、自らの作品の主題の参考にすべきだと私は考えている。今回の「多様性」もまた「異質なものとの関係」を豊かに言語化する試みだろう。作品例としては、ウクライナの地域文化を体現する十九世紀に生きた国民的詩人のタラス・シェフチェンコの長編叙事詩「ザポビット」(「遺書」)の「わたしが死んだら/葬ってほしい/なつかしいウクライナの/ひろびろとしたステップに抱かれた/高い塚の上に」。また宮沢賢治の詩集『春と修羅』に次の詩「原体剣舞連」がある。この詩は古代日本が多様性に満ちていたことを明らかにする貴重な詩篇だ。dah-dah-dah-dah-dah-sko-dah-dah/こんや異装のげん月のした/鶏の黒尾を頭巾にかざり/片刃の太刀をひらめかす/原体の舞手たちよ」。この詩「原体剣舞連」は月夜と篝火の下で、古くから伝わる民俗芸能の鬼剣舞の踊子たちの異様な舞い姿や太鼓の響きを全身に感じて、その響きを古代人たちの命として詩にしたものだろう。詩歌の世界で「地域文化」を考える場合に参考になる書籍は、俳人の宮坂静生『季語体系の背景 地貌季語探訪』だろう。「私という身体のことばを介した生者と死者との語り合い」という俳句における死者と共有した時空間を問い直すことの重要性を「地貌季語」の精神性として原点に置いている。そして多様な「地方」の息遣いを宿し、「古人の感受性の集積」を彷彿とさせることばを「地貌季語」として蒐集することを提唱する。最後に歌人の馬場あき子氏の山形県鶴岡市の黒川能についての連作から五首を紹介したい。《苗の呼吸うし・うまのいき人のいきやわらやわらに笛に通える》《苗代や黒川能の上座口幕かかげさせ君は歩むを》《青年の面をかくし立ち出ずる白き翁ぞやわら耳もつ》《まれびとのさびしき情にみてあればおとめのごとし少年の舞》《青葉とうとと聞え白頭の鬼神はうたた抒情すらしも》。次のような観点で、『多様性が育てる地域文化詩歌集』に参加して欲しいと願っている。


①多様な土地の言葉である地名・方言・生活語などを駆使した作品。

②多様性に満ちた土地の芸能、行事記念祭、食文化、伝統工芸品などにまつわる作品。

③季語・地貌季語や歌枕などに新しい意味や新しい多様なイメージを宿した作品。

④海外の人びとが異郷である日本の地域文化を活性化させている紹介の作品。

⑤地域文化と隣接する他の地域文化の相互影響や文化的差異を記した作品。

⑥ジェンダー・ギャップを改善し性的マイノリティを尊重する多様な地域文化の価値を有する街を記録する作品。

⑦多様な世代が共通するテーマで未来を作り上げようとする試みの作品。

⑧国家間の争いで他国の地域文化を武力で破壊しないための平和を促す作品。(鈴木比佐雄)


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