略暦
1971年生まれ。國學院大學卒業。
朗読を通じて、主にアジアの詩や詩人の紹介をする。
音楽家や舞踊家などとの共演多数。
2001年詩集「キクことば、ミルことば、くにぐにの」刊行。「先住民族10年ニュース」や「ピリカモシリ」誌をはじめ、国内外の詩誌への寄稿も多い。
2006年は韓国ソウル市での朗読祭や、原爆の日のヒロシマでの朗読会に参加。
インド舞踊と朗読の舞台において、中世のヒンドゥー教聖典「ギータ=ゴヴィンダ」の連作を発表中。
アイヌ民族の口承文芸「ユカラ」や琉球古代歌謡「おもろそうし」の伝承、再現を探求している。知里幸恵「アイヌ神謡集」を韓国語に翻訳作業中。
【詩の紹介】
ある日
急速に解放された
シッポのような ~岡本太郎へ~
タローに出会うとわたしは
太陽人になり
浮遊した色彩のオスとなり
ぐるぐると
はじめはゆっくりと旋回するも
おや?
タローのカラスも驚くほど
速度の美学を轟かせ
吊るされた
無数の仮面たちに交じり
疾走する地球号のハンドルを握って
いる
これは濃縮された太陽
よりも黒い
きっと黒い太陽への挑戦
であって
ぐるぐる ぐるぐる
ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐるぐる
これは神聖な
うずまきなのです
やがてわたしは
とらえどころのないくらい
ぐるぐるを塗りたくり
炎の化身に
南の島のシャーマンに
縄文の咆哮に
燃える原色の赤に
まわるまわる未来世紀に
放り放り出され出され
ぽんぽん!
こうしてわたしは
両手をつんと広げたまま
眼球の中で思考を増殖させ
まわりながら
タローのいとしい
べらぼうなもの
となってゆくのです
併記/二〇〇五年四月に亡くなった岡本敏子さんへこの詩を捧げます。晩年の敏子さんのお顔は、眼を見開いて感動を表す太郎さんの表情にそっくりでした。生きていることが楽しくて仕方が無い、というアクティブさが若々しさの源で、ミニスカートと素足にサンダルというファッションに私は魅了されていたものです。


