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金知栄詩集
『薬山のつつじ』(日本語・韓国語)
金知栄(キム・ジヨン)さんは、三十年間も故郷に戻れないという、苦難の途上にありながらもいつも微笑を浮かべて、多くの在日の人びとや韓国と北朝鮮の統一を願う人びとを、鼓舞し励ましてきた心温かい女性詩人だ。(解説より 鈴木比佐雄 詩人・評論家)

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解説文:鈴木比佐雄
A5判/248頁/ソフトカバー ISBN978-4-86435-143-0 C1092 ¥1500E
定価:1,650円(税込)

金知栄詩集『薬山のつつじ』(日本語・韓国語)  

発売:2014年2月6日



【目次】



序詩  母―         


Ⅰ章 野蒜と姫韮

春を待つ心
野蒜と姫韮
愛の香り
紅 葉
輪 廻
禁断の故郷


Ⅱ章 存在の意味

ともに歩む道
愛するということ
存在の意味
春の息吹
キャンドルデモ
美しい十一月
トルトリとオンマ
巣立ち
出会い
夢を削るということは


Ⅲ章 母との再会

ノビル
オモニ
立 葵
秋 桜
母との再会
異邦人


Ⅳ章 薬山のつつじ

統一の歓声が聞こえてくる
茨の道を乗り越えて
あなたの懐の中で
太陽よ昇れ
春を待ちながら
薬山のつつじ
十二月の春
腕まくりして
岩のように

Ⅴ章 芝焼き

午 睡
野菜畑
芝焼き
あなたは眩しいです
杯を交わしましたね
一杯のトックに
放射能に色があったなら

Ⅵ章 都羅山駅にて

夢は夢でなかった
五月から統一へ
漢拏山にて
島の人々
五月のベルリン
オドゥサン統一展望台
鉄馬は走る
都羅山駅にて

あとがき  
略歴    




「薬山のつつじ」



うなされ
眠れなかった
三年の歳月

正義が罪となって不正義がのさばる社会で
生の重圧に息苦しくあえぐ
庶民たち

対話の堰が開かれた美しい山河は 
色褪せて荒廃し
北上する春風も行き場を失った

戦争ごっこに
怒りを震わせる空と大地と海
虚空にこだまする爆撃の音は
胸のひだに深い傷跡を残し
自在に泳ぎまわる延坪島の魚群は
方向感覚を失ってしまった

誰が私たちの信頼を奪い
私たちを貧しくし
私たちの心を荒涼とさせ
武器のぶつかる身の毛もよだつ音で
眠りを妨げるのか

両目を見開いて
二度とふたたび
誤った選択をして地を叩き悔いることのないように
鋭敏な判断力で生気を取り戻し
砂の城のごとく崩れゆく民主主義を立て直して
ふさがった道を切り開き
怒り狂った海を鎮めよう

さあ悪夢から覚めて
美しい世の中を夢見よう

都羅山駅から汽車に乗り
すがすがしい空気を胸に
ぱっと開けた野原を過ぎて
山越え川越え
肩で風を切って
薬山のつつじの花を見に行こう
白頭山の万病草を見に行こう


(二〇一一年三月)

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