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羽島貝詩集
『鉛の心臓』
言葉に出来ない思いを/深呼吸するように吸っては吐き、/沈め、沈めてゆく/身体の深奥。//取り戻した思考を/手放さずに/それが/自分であることを/やめないための。(「目を閉じて、瞼(まぶた)に感じる熱は。」より)

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四六判/128頁/上製本 ISBN978-4-86435-152-2 C1092 ¥1500E
定価:1,650円(税込)

羽島貝詩集『鉛の心臓』

発売:2014年3月24日



【目次】



第一章 路上
何かの一ページ
鉛の心臓
路上のスノウマン
チェリーブロッサム
その写真の行方を
葬儀
彼の場所
切願
untitled
楽園
祖国
不通
事実、或いは事故。
生者で在る為に
夏の日だった

第二章 白昼夢
素描
忘却
犬がベッド
バスタブに天使
神のマシュマロ
晴れた日
落日
29
傷口に愛
ミキサー
迷走
深夜、臆病者
溺者
伏した睫の先で

第三章 深呼吸
目を閉じて、瞼に感じる熱は。
てのひらにスコップを
グラフ
このうたが
意見Ⅰ
意見Ⅱ
口論
皿の上の滓
つむぎうた
冬雨

あとがき  
略歴    



「夏の日だった」



踏みつぶされたカブトムシ
絶望的な目でこちらを見る少年。

こちらと自分の足下とを交互に見つめて
彼は踏み出したその右足を
なかなか上げることが出来ない。

(幸いからの転落)

彼はまだ、こちらを見ている。
見ていることしか出来なかった
こちらを見ている。


「目を閉じて、瞼に感じる熱は。」



言葉に出来ない思いを
深呼吸するように吸っては吐き、
沈め、沈めてゆく
身体の深奥。

取り戻した思考を
手放さずに
それが
自分であることを
やめないための。

赤黒く、どろりとした闇も、
青白く、澄みわたった光も、

おそれずに。
しりぞけて。

二本の足で立っている自分を
感じて。

深く、深く思いの深呼吸を繰り返す
夜明け。



「冬雨」



心の何処かが
人間の良性を諦めきれずにいる。

それでも、心の何処かに
良なる物があることを

信じていたいと願ってしまう。

脆弱で
希薄で
稀有で

それでもそこに「在る」のだと。

傷がつき
見失い
欠片しか取り戻せない時もあっても

その欠片を握りしめたいと思う心を
思い出してくれると

必ず。



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