全刊行書 年代別
詩人はあることを言う
しかしだからすべての詩人は
いつも思ったままに詩が書けるようになるには
ひとつの布施をなさねばならない
詩にとって何の役にも立たない、無意識の贈りもの
詩からもっとも遠くにあるもの
(「ミャンマーの詩人のひと言」より抜粋)
| 栞解説文:鈴木比佐雄 訳:李美子 |
| 四六判/192頁/ソフトカバー |
| 定価:1,500円(税込) |
発売:2010年9月23日
【目次】
木の枝のリボンと油桃花―東京の李美子詩人に 10
あなたの眼の中には、そして―広島の長津功三良詩人に 12
世界平和遺産を通り過ぎて―鈴木比佐雄詩人に 14
散 文 16
鰊のような女 18
東京の屋上の女 20
菊とさくら―石川逸子詩人に 22
コルサコフの丘に立って―サハリンの〝エリック〟に 24
圖們のネズミ 26
エベレスト山 29
女人壮観の詩―モンゴル、二〇〇五年 32
北京黄砂警報 38
一人の詩人がしきりにネズミの穴を見ていた
―延吉広場で麦酒を飲みながら 40
主人のいないミュージックチェアの外で 44
少女のランコックよ 46
ソウルのテヘラン通りで―李元燮先生の霊前に 49
最後のテレビ 51
あるパレスチナの詩人に―世界の外のはなし 54
バラの中で燃える―沿海州にて 58
北京 二〇〇八年一月 夜 60
北京の砂つぶの詩―張明侠に 63
ああ 悲しい、崇礼門 66
崇礼門外 69
遥かなソウル北京の朝―曹良來に 70
水銀中毒者―確かなることを拒み意外であるように願う 72
マリアのマリア―血の海 2 74
シカの記憶―日本 宮島で 76
雪 岳―骨のくずれ折れる懺悔のなかで 78
捫蝨の詩 81
瀋陽、その年 冬の夜明けの到着 84
闇の中の手をふる植物―ソウル 89
輯安にて―沈昌萬教師に 91
ウォール街と楊平のキムチ漬け風景 93
血の海 1 96
モスクワの地下鉄を乗りに行き―李浩哲先生とふたり 100
赤い?魚の傷口の追憶―血の海 2 103
贈れない死の手帖―Myanmar BaganにてMaung Moe Ayeに 105
東京の蒼空をながめて、しばし 108
チャホンタ(Chahontha) 111
東海によせるオホーツクの海鳴り 113
エベレストの恥辱―ベーコンひと切れ 115
朝陽をながめる―ダライ・ラマを想いながら 118
冷たい太陽がのぼる茶馬古道を―朝日を見る 120
黒い石の国に来て 1 122
黒い石の国に来て 2 124
??文土器―脳と目と舌そして耳のない骸骨たち 127
杭州下りの紹興酒なり 128
ザルビノ港税関の出入国管理事務所の控え室で―中三、中哲に 130
ラングーン(Rangoon)の夜に火になる―Irawadi河三角州の東端 133
スヨリ 137
トンレサップ(Tonle Sap)はヒマラヤから―小さないのちの旅 138
ラングーンの夜に石を食べる―しきりにパンを焼くラングーンの夜 141
到着、とうちゃく、到着―ラングーン 2 143
摩天楼の下で待ち合わせ―バングラデッシュのソシオド・カイ・コスル (Syed Kay Khasru)詩人を待ちながら 145
彼わたしはわたし彼は 147
憤怒と愛のなかに到着した―ある日の性の詩 149
ミャンマーの詩人のひと言―ヤンゴンのMyin Mu Maung Naing Moe に 152
つばめが声をだして本を読むように 154
箱根山のうた―鈴木比佐雄詩人に 156
あなたのくにの朝顔―佐川亜紀詩人に 158
日本への旅行鞄をまとめられるのか 160
デンイェンゴン(Danyinggone)の女たち―Ma Choに 163
うつくしい言語の記憶―ミャンマーのチャホンタ(Chahontha) 166
すさまじいアムール(Amur)河の憤怒 168
百尺竿頭に立つ国―韓国百年史を辿り来日をながめ 170
きみはKOREAを見たのか 172
ハバにて赤い夜明けの果てまで―雲上に 174
サハリンの黒白写真と雪 176
今朝は、ウラジオストクで 178
春 181
予 告 182
あとがき 186
著者略歴 190
詩篇を紹介
ミャンマーの詩人のひと言
―ヤンゴンのMyin Mu Maung Naing Moe に
詩人はあることを言う
しかしだからすべての詩人は
いつも思ったままに詩が書けるようになるには
ひとつの布施をなさねばならない
詩にとって何の役にも立たない、無意識の贈りもの
詩からもっとも遠くにあるもの
これをなさず詩を書く詩人の詩は
彼がどんな者であれ読んではならない
彼の口がぼくの?に張り付いては落ちた
ぼくの耳は彼の苦い舌へ伸びてゆき触れる
しばらくぶりで恐れ入った、その言語の
初めてのキス以外のあらゆる言語の遊戯のなかに
詩人はことばを咥えている


