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鈴木比佐雄評論
『沖縄・福島・東北の先駆的構想力 ―詩的反復力Ⅵ(2016―2022)』
八重洋一郎、若松丈太郎、黒田杏子などの言葉には、過去・現在から未来を切り拓く先駆的構想力がある。
沖縄・福島・東北の痛切な民衆の記憶や地域文化を後世に語り継ぐ表現者たちの多様な言語世界を伝える。

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A5判/464頁/並製本 ISBN978-4-86435-559-9 C0095
定価:2,200円(税込)

鈴木比佐雄評論集『沖縄・福島・東北の先駆的構想力 ―詩的反復力Ⅵ(2016―2022)』

発売:2023年4月07日



目次

序 「先駆的構想力」とは何を意味しているか

Ⅰ 沖縄

石垣島から世界を俯瞰する詩の力
八重洋一郎詩集『日毒』

「日毒」と「血債」という言葉で世界を変える詩的精神
八重洋一郎詩集『血債の言葉は何度でも甦る』

石垣島から無限多次元世界の「時」を奏でる人
八重洋一郎詩集『転変・全方位クライシス』

死者のように生きて「呪われた詩型」を詠み続ける人
『新城貞夫全歌集』

モクマオウの根元から神話的イメージを紡ぐ人
下地ヒロユキ詩集『読みづらい文字』

沖縄人の「言の葉」の深層を掬い上げる人
与那覇恵子詩集『沖縄から 見えるもの』

沖縄の戦中・戦後を凝視しその真相を語り継ぐ人
玉城洋子歌集『儒艮(ザン)』

沖縄の「孵でる精神」を引き継ぐ独創的な試み
おおしろ房句集『霊力の微粒子』

ムヌスー(ユタ)の霊感と予言に満ちた世界
伊良波盛男『神歌が聴こえる』

「敗者の空」に共生の想いを透視する
玉木一兵小説選集『敗者の空――沖縄の精神医療の現場から』

「沖縄文学」の抗いと「しまくとぅば」の創造
大城貞俊『抗いと創造――沖縄文学の内部風景』

沖縄戦後小説の過去・現在・未来を探索する
大城貞俊『多様性と再生力――沖縄戦後小説の現在と可能性』

沖縄の「修羅と豊饒」とは何か
平敷武蕉『修羅と豊饒――沖縄文学の深層を照らす』

修羅を生きる生きものに注がれる「いのちの滴」
かわかみまさと詩集『仏桑華の涙』

キジムナーを呼び寄せ沖縄の表層から深層を語る
高柴三聞詩集『ガジュマルの木から降って来た』

琉球・奄美の「平和を守る」詩人の系譜
『沖縄詩歌集 ~琉球・奄美の風~』を呼びかけるために

琉球弧の島々を愛する平和思想と抵抗精神
『沖縄詩歌集 ~琉球・奄美の風~』


Ⅱ 東北 福島

極端粘り族の誇りと希望
 ――若松丈太郎氏追悼

時代の狂気に抗う少年の批判精神
若松丈太郎詩集『十歳の夏まで戦争だった』

〈東北の土人〉〈地人の夷狄〉の基層を探索する
若松丈太郎詩集『夷俘の叛逆』

『夜の森』から『夷俘の叛逆』へと続く創造的叙事詩
若松丈太郎氏の詩的精神の源泉に寄せて

壮大な福島浜通りの文学史を構想していた「極端粘り族」
若松丈太郎著作集第二巻『極端粘り族の系譜』

「かなしみの土地」で「囚われた人たち」に想いを寄せた人
『若松丈太郎著作集』第一巻「かなしみの土地」十一篇の読解

「地域」と共に世界を詩作し思索した人
『三谷晃一全詩集』

東北の「光のエネルギー」を言葉に転換する人
前田新詩集『詩人の仕事』

「梅の精」の「血の涙」を受け止める人
高橋静恵詩集『梅の切り株』

昆虫の愛と哀しみと恨みを感受する
根本昌幸詩集『昆虫の家』

「ふらここ」がいつまでも故郷で待ち続けている
みうらひろこ詩集『ふらここの涙』

原発事故後に「小さな命」に手を差し伸べる人びと
吉田美惠子『原発事故と小さな命――福島浜通りの犬・猫救済活動』

ふるさとを支える「影」の存在と語り合う人
長嶺キミ詩集『静かな春』 

福島の「埋み火」を人びとの胸に灯すために
二階堂晃子エッセイ集『埋み火――福島の小さな叫び』

歴史の真実を孫娘に切々と語り掛ける人
斉藤六郎詩集『母なる故郷 双葉 ――震災から10年の伝言』

浪江町の人びとは、なぜ〈核災棄民〉になったのか
鈴木正一『〈核災棄民〉が語り継ぐこと――レーニンの『帝国主義論』を手掛りにして』

文学を読み解き子どもたちの創造的な思考力を養うために
髙橋正人評論集『文学はいかに思考力と表現力を深化させるか――福島からの国語科教育モデルと震災時間論』

日々の時間を創造的に生きる人
五十嵐幸雄備忘録集Ⅴ『日々新たに』

自由民権の旗を最後まで掲げた原利八
赤城弘『再起――自由民権・加波山事件志士原利八』

生々しい精神のリアリティを抱えた存在論的詩篇
松村栄子詩集『存在確率――わたしの体積と質量、そして輪郭』

様々な宿命の哀しみに寄り添う人
橘かがり『判事の家 増補版――松川事件その後70年』

「核災」の悲劇を記し、福島の讃歌を奏でる人
天瀬裕康『混成詩 麗しの福島よ ―― 俳句・短歌・漢詩・自由詩で3・11から10年を詠む』

「あしたのあした」という「先駆的構想力」
 黒田杏子第一句集『木の椅子 増補新装版』、黒田杏子聞き手・編者『証言・昭和の俳句 増補新装版』


Ⅲ 東北 青森・秋田・岩手・山形・宮城

永山則夫の「異物としての言葉」と「事実」を宥めること
井口時男『永山則夫の罪と罰 ――せめて二十歳のその日まで』

作家たちと根源的な対話を試みる人
齋藤愼爾『逸脱する批評――寺山修司・埴谷雄高・中井英夫・吉本隆明たちの傍らで』

東北の螢袋と蕨手 
齋藤愼爾句集『陸沈』と高野ムツオ句集『片翅』

金子兜太の「原曝忌」について
新たな『原爆詩歌集』を構想するために

《足の眼》の精神を創り出した人
石村柳三 句集『雑草流句心』・詩集『足の眼』

連作詩「サナトリウム」の「ほんとの悲しみ」と「自然の交響曲」
『村上昭夫著作集 下 未発表95篇・「動物哀歌」初版本・英訳37編』

「文字マンダラ」を通した根源的で多様性に満ちた宮沢賢治論
桐谷征一『宮沢賢治と文字マンダラの世界――心象スケッチを絵解きする』

花巻の地で「広大無辺な慈悲」を口伝する人
大畑善昭句集『一樹』

「泥の亡骸」から「泥天使」へ
照井翠句集文庫新装版『龍宮』と新刊句集『泥天使』

「詠う」ようなイメージ力や歴史認識や単独者の感受性
ワシオ・トシヒコ定稿詩集『われはうたへど』

〈「可惜」命〉の精神を読み解く人
千葉貢『相逢の人と文学――長塚節・宮澤賢治・白鳥省吾・淺野晃・佐藤正子』

日中の架け橋・黄瀛を探し求める岩手の人
佐藤竜一『宮沢賢治の詩友・黄瀛の生涯 ――日本と中国 二つの祖国を生きて』

秋田白神方言詩の包擁力を体現した人
『福司満全詩集 ――「藤里の歴史散歩」と朗読CD付き』

「透明な美」や「冬の響き」に耳を聡くする人
藤原喜久子 俳句・随筆集『鳩笛』

日米の「懸け橋」の歴史を記し共生を願う人
小島まち子『懸け橋 ――桜と花水木から日米友好は始まった』

「自分をつつみこんでいる時間」を他者に広げる人
いとう柚子詩集『冬青草をふんで』

石垣りんの詩の読解と誰も語りえない評伝の試み
万里小路譲『孤闘の詩人・石垣りんへの旅』

「そゞろ神」や「異形」が息づく東北に関わる詩歌精神
『東北詩歌集――西行・芭蕉・賢治から現在まで』への呼びかけ

まつろわぬ精神、東北六県の多様な魅力
『東北詩歌集――西行・芭蕉・賢治から現在まで』

 
Ⅳ 詩歌・アンソロジーの可能性

「困難な時代を詩歌の力で切り拓く」ことの試み
NHKラジオ深夜便「明日へのことば」の発言した原文

アジアの創造的「混沌」を抱え込んだ詩歌
『アジアの多文化共生詩歌集――シリアからインド・香港・沖縄まで』

詩・俳句・短歌は「生物多様性」をいかに 詠い続けてきたか
『地球の生物多様性詩歌集――生態系への友愛を 共有するために』

「無の場所」を名付けたい衝動を抱えた地名詩の試み
『日本の地名詩集――地名に織り込まれた風土・文化・歴史』

「世界内存在」・「死に臨む存在」・「生物 多様性」などの存在論的意味
『闘病・介護・看取り・再生詩歌集 ――パンデミック時代の記憶を伝える』

あとがきに代えて

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