書籍一覧 新刊
髙橋宗司作品集
『清水公園界隈』
俳句〈花吹雪側溝紅の棺となる〉や詩行「やがて発光体になりつつある夕ぐれの桜」などを含んだ連載エッセイや評論・小説は、髙橋氏のしなやかな文学観に基づいた作品集として刊行された。この自由な羽ばたきで多様な表現領域を超えてゆく作品集『清水公園界隈』を「清水公園」や広く詩歌を愛する人びとに読んで欲しいと願っている。(鈴木比佐雄 解説より)
四六判/208頁/並製本 ISBN978-4-86435-658-9 C0095 |
定価:2,200円(税込) |

与那覇恵子評論集
『沖縄を「悲しい宿命の島」にするのは誰か?』
本書の主張をまとめると、以下のようになるだろう。
即ち、米国は米国隷属国家日本国を中国との代理戦争に誘導しようと企んでいて、その戦場は沖縄であり、
それは絶対に阻まなければならない。(八重洋一郎 解説より)
四六判/216頁/並製本 ISBN978-4-86435-655-8 C0095 |
定価:1,870円(税込) |

又吉栄喜
『又吉栄喜小説コレクション6 人骨展示館』
グスク(城)跡から出土した女性の人骨をめぐり多様な解釈が巻き起こる表題作など中編4編
又吉栄喜は「原風景」の「原」を探るべく「風景」を掘っているところがあり、それによって沖縄やアメリカを多面的に捉え返し、そこから多くの作品が多様な原風景を立ち上げてくる、そのような創作をしているように見える。(呉世宗 巻末解説より)
四六判/372頁/上製本 ISBN978-4-86435-652-7 C0393 |
定価:2,750円(税込) |

又吉栄喜
『又吉栄喜小説コレクション5 巡査の首』
兄妹が祖母の「奇特な遺言」を叶えるため異国へと密航する表題作など中編3編
本巻に収められた物語は、〈夢幻性〉へと誘い、また対立構造の深部をまなざし、止揚を試みる。薩摩の侵攻、アジア・太平洋戦争、米軍統治時代、沖縄が体験しなければならなかった痛みに目を向けながら、二項対立的に善悪を断定しないのである。(柳井貴士 巻末解説より)
四六判/368頁/上製本 ISBN978-4-86435-651-0 C0393 |
定価:2,750円(税込) |

髙橋郁男詩集
『叙事詩「風信」』
四千年の叙事詩の歴史、地球規模の横断的視点、日本古代の詩歌の歴史、二十世紀の「四次元災害」、近現代の詩人・作家たちの深い縁を辿る試み、地域文化や暮らしを支える人びとなどを記した高橋郁男氏の時空を超えた世界を、共に旅して欲しいと願っている。(鈴木比佐雄 解説文より)
A5判/256頁/上製本 ISBN978-4-86435-657-2 C0092 |
定価:1,980円(税込) |

前田霧人
『新歳時記通信 俳論篇』
歳時記は人を惹きつける魔法の書。これに引き寄せられ迷宮に導かれた人は数知れない。
こうした中で、前田霧人こそ未来の錬金術を究める最良の導士だ。この論書で、彼は求め訴える、エロイム・エッサイムと。(筑紫磐井 帯文より)
四六判/432頁/上製本 ISBN978-4-86435-654-1 C0095 |
定価:2,530円(税込) |

前田霧人
『新歳時記通信 歳時記篇』
明治以来の歳時記の枠組、時候、天文、地理を季節の暦を軸に天地と気象に再編。大胆にして細心。季題の解説も古今の文献を正確に踏まえ、かつ現代感覚に富む。
俳人であり地球物理学者十六年間の労作。わくわくする快著である。(宮坂静生 帯文より)
A5判/1440頁/上製本 ISBN978-4-86435-653-4 C0095 |
定価:8,800円(税込) |

玉木一兵詩集
『生死断想—琉球ホモサピエンス考』
玉木一兵氏の内なる他者である「民族的慈愛」に満ちた「琉球ホモサピエンス」を探す旅は「後生(グソー)」を巡りこれからも続いて行くのだろう。多くの沖縄の精神性に関心を持つ人びとに玉木氏の叙事詩を通した思索詩を読んで欲しいと願っている。 (鈴木比佐雄 解説文より)
A5判/256頁/並製本 ISBN978-4-86435-656-5 C0092 |
定価:1,980円(税込) |

沖縄エッセイスト・クラブ編著
『沖縄エッセイスト・クラブ 作品集42』
近年の昭和レトロブームから、楽しい企画も多くあるだろう。しかし(昭和)百年間にあった負の歴史と、そこから地続きにある現在の諸問題を、しっかりと見つめ直す年にしたい。
私たちの作品集には、個人の趣味や目の前の小さな幸せを綴った作品もある。諸問題が山積する中、ささやかな心のオアシスとして味わっていただければと思う。(南 ふう あとがきより)
四六判/288頁/上製本 ISBN978-4-86435-648-0 C0095 |
定価:1,650円(税込) |

永山絹枝詩集
『世界のどこかで(下)日本、中国、ロシア、ウクライナ、クロアチア、欧州・豪州研修、南米、太平洋、アラスカ編』
人類は身の丈を超えた経済活動や過度なナショナリズムではなく、本来的な「自然の秩序」をいかに回復させるかという、途方もない課題を突き付けられていると、『世界のどこかで(上)・(下)』の二冊を通して私たちに伝えていると思われる。永山絹枝氏の「何か言い知れぬ人類愛」とは、きっと多様な生きものたちや地球環境を畏敬し、地球の一員としての本来的な想いで慎ましく生きることを示唆しているのだろう。 (鈴木比佐雄 解説文より)
A5判/256頁/上製本 ISBN978-4-86435-606-0 C0092 |
定価:2,200円(税込) |

向瀬美音 企画・編集・翻訳/中野千秋 翻訳
『国際俳句歳時記 秋 ―国境を越えた魂の震撼 International Saijiki : Autumn ―The Shaking Souls Across Borders』
私のフランスの友人が好きな季語は渡鳥。それに月。
国際俳句歳時記「秋」2160句の編集者・向瀬美音は世界の季節の言葉の名コンダクター。俳句は自然界の深い沈黙から一瞬の知的感性のひらめきにより火花を感受する短詩だ。
本書にはわくわくする発見がある。(現代俳句協会特別顧問:宮坂静生 帯文より)
四六判/456頁/上製本 ISBN978-4-86435-647-3 C0092 |
定価:2,750円(税込) |

山本萠
『ドゴンの遠い瞳 萠庵骨董余話』
「黒田杏子です。『藍生』に山本萠さんの写真とエッセイを連載してもらいたい。すぐに彼女に連絡を取って欲しい」とのことだった。続けて黒田氏は「山本さんの骨董や民芸に寄せる写真とエッセイの世界は、『藍生』の俳人たちが憧れる精神性を持っている」という意味のことを私に率直に語られた。 (鈴木比佐雄 解説より)
解説 鈴木比佐雄 |
四六判/288頁/並製本 ISBN978-4-86435-650-3 C0095 |
定価:2,200円(税込) |

董振華 聞き手・編著/高野ムツオ 監修
『語りたい俳人 師を語る友を語る ― 24人の証言 下』
俳人の人生が死によって完成するならば、その真の姿は、死後の証言によって見えてくるだろう。弟子や友であった24名の俳人たちが語った、愛憎・恩讐・葛藤・苦悩・収穫・結実・栄光の姿が、現代の私たちにいきいきと浮かび上がってくる。(堀田季何)
A5判/336頁/上製本 ISBN978-4-86435-646-6 C0095 |
定価:2,750円(税込) |

董振華 聞き手・編著/高野ムツオ 監修
『語りたい俳人 師を語る友を語る ― 24人の証言 上』
本書が、これからの俳句を探る得難いヒントの宝庫であると信ずる。
昭和百年、戦後八十年の今年を記念すべき二冊として、一人でも多くの俳句愛好者に読み味わってもらうことを心から願っている。(高野ムツオ「監修者 まえがき」より)
A5判/312頁/上製本 ISBN978-4-86435-645-9 C0095 |
定価:2,750円(税込) |

森義真
『石川啄木と故郷人(ふるさとびと)』
森義真氏は、詩集『あこがれ』・創作「はてしなき議論の後」、歌集『一握の砂』・『悲しき玩具』、小説「雲は天才である」・「我等の一団と彼」、評論「弓町より(喰ふべき詩)」・「時代閉塞の現状」などを書き上げ、二十六歳二ヶ月で他界した天才石川啄木の実相を、約八十名の故郷人の証言を通して浮き彫りにした。(鈴木比佐雄 解説文より)
解説 鈴木比佐雄 |
四六判/432頁/上製本 ISBN978-4-86435-642-8 C0095 |
定価:2,750円(税込) |

崔龍源
『崔龍源全詩集・全歌集』
本書の詩や短歌やエッセイなどを読めば、崔龍源が書きたかった小説が『遠い日の夢のかたちは』のようにおぼろげに、一人ひとりの心に多様な物語として湧き上がってくると私は信じている。崔龍源の目指した「地球人」の文学思想や生き方が多くの人びとの心に住み着くことを心から願っている。 (鈴木比佐雄 解説文より)
解説 鈴木比佐雄 |
A5判/528頁/上製本 ISBN978-4-86435-643-5 C0092 |
定価:5,500円(税込) |

青木善保詩集
『風と山人』
青木氏は、90歳を過ぎても精神的には新たに挑戦していく若さを持続している。この時代の様々な問題の根底に存在する大切なものは何かという、本質的な問いを発してそれを探究していく思索的な詩篇を試みている。その姿はこの世界において何が尊いかを絶えず個の原点に立ち還りながらも、新たな他者と共生していく地平を浮き彫りにさせてくれ、生きることの意味を豊かに示してくれている。(鈴木比佐雄 解説文より)
A5判/144頁/並製本 ISBN978-4-86435-644-2 C0092 |
定価:1,870円(税込) |

中津攸子
『万葉集成立の謎』
本書は、『万葉集』の編纂者であると言われてきた大伴旅人・家持の親子の観点から、『万葉集』二十巻の成立過程の謎に関して事実を踏まえながらも、想像力を駆使してその謎の闇に光を当てていく試みだ。大和朝廷の軍事を司っていた大伴家がなぜ『万葉集』の編纂を志し実現していくのか。旅人・家持たちの心にも分け入っていく。私たちを古代史と古代文字の深層へといざなってくれる。 (鈴木比佐雄 解説文より)
四六判/224頁/並製本 ISBN978-4-86435-640-4 C0095 |
定価:1,870円(税込) |

浅見洋子 日英詩集
『独りぽっちの人生(せいかつ)―東京大空襲により心をこわされた子たち The Struggling Children of the Tokyo Air Raids』
米軍による東京への空襲は昭和20 年3月10 日をはじめに、4月5月と大規模に3回くり返され、死者は推定105,000人以上にのぼった。東京市街地の6 割が焦土と化した。成人男子の大半が戦場に召集され、女性や子どもなど社会的弱者が空襲被害者となった。辛くも生き残った人の多くは、孤児となったり、障害を被ったりしていた。戦争孤児らは全国で3万人以上と言われた。 (弁護士・原田敬三「跋文」より)
翻訳 岡和田晃 |
A5判/160頁/並製本 ISBN978-4-86435-641-1 C0092 |
定価:2,200円(税込) |

中山たかし
『独り言も、良いかも』
「独り言」を突き詰めていくと、当たり前のことだが、自分は一人で生きているのではなく、宇宙・自然や社会の多くの人びとのおかげで命をつないでいることに気付き、奇跡のような「運命のいたずら」によって、自分の存在が天命として「生かされている」ことに気付くのだろう。その意味で中山氏の「独り言」は、英訳のsoliloquy やmonologue と言った良く練られた演劇的な「独白」に近いかも知れない。( 鈴木比佐雄 解説より)
四六判/168頁/並製本 ISBN978-4-86435-639-8 C0092 |
定価:2,200円(税込) |
