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2024年8月刊行予定の新アンソロジー『沖縄・広島・長崎からの永遠平和詩歌集 ―報復の連鎖からカントの「永遠平和」、賢治の「ほんとうの幸福」へ』(日本語版/英語版)の公募詳細です。

『沖縄・広島・長崎からの永遠平和詩歌集 ―報復の連鎖からカントの「永遠平和」、賢治の「ほんとうの幸福」へ(日本語版/英語版)公募趣意書


◆出 版 内 容=「敗戦後八〇年を二〇二五年に迎えるにあたり、カントの「永遠平和」、賢治の「ほんとうの幸福」の精神を踏まえ、沖縄・広島・長崎の悲劇を想起してそれらの思いを世界の人びとにも伝えたい。
◆日本語版・英語版 二冊とも A5判 約300~350頁 本体価格2000円+税
◆発 行 日=日本語版2024年8月6日 英語版2025年3月下旬
◆編   者=鈴木比佐雄、座馬寛彦、鈴木光影、羽島貝
◆翻 訳 者=与那覇恵子、郡山直、結城文、水崎野里子、植松晃一、向瀬美音、その
他にネイティブチェッカーが数名
◆発 行 所=株式会社コールサック社
◆公   募=250名の詩・俳句・短歌・エッセイを公募します。作品と承諾書をお送
り下さい。既発表・未発表を問いません。(このページ最下部で公募趣意書のPDFデータをダウンロードできます。)
◆参 加 費=1頁は詩40行(1行25字)・俳句16句・短歌10首・エッセイ1,000字で2万円、各2冊納品。2頁は倍の作品数や文字数で4万円、各4冊納品。日本語版の校正紙が届きましたら、コールサック社の振替用紙でお振込みをお願い致します。
◆し め き り==2024年4月末日頃(校正は日本語・英語各一回)
◆原稿送付先=〒173‐0004 東京都板橋区板橋2‐63‐4‐209
◆データ原稿の方=〈m.suzuki@coal-sack.com〉(鈴木光影)まで



【よびかけ文】

 宮沢賢治は自らの思想哲学を作品の中に織り込んでいて、特別に詩論や論説文で記してはいないが、例外的に「農民芸術概論要綱」の冒頭の箇所でそれを明らかにしている。まず賢治は「われら」とか「おれたち」という個人を超えた「私たち」という普遍的な観点であり、ある意味で「理性」的な意志が「何かを論ずる」ことを告げる。そして「近代科学の実証と求道者たちの実験とわれらの直観の一致に於て論じたい」とある。この考え方はデカルト・スピノザなどの合理論とイギリス経験論を批判しつつ「直観」を起点としつつその両方の働きを「一致」させるように探っていきたいと言う。これは明らかにカントの『純粋理性批判』の本質的な思索を踏まえていることが理解できる。その後に有名な賢治の精神の崇高さを示し、多くの引用をされてきた「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」という倫理的な一文が天啓のように出現する。賢治は「世界がぜんたい幸福にならないうちは」と世界の人びとがもれなく幸福になるように、カントのいう理性的な原理を根拠とした「最高善」を実践することが、「個人の幸福」と密接につながっていると受け止めているかのようだ。次の「自我の意識は個人から集団社会宇宙と次第に進化する」とは、我という主観の認識が「直観」を通して、概念を扱う「悟性」や推理や判断などを促す「理性」を駆使して「宇宙意志」まで広がっていくことを告げている。その結果として「われらは世界のまことの幸福を索ねよう」とは、「世界がぜんたい幸福である」社会を共に作り出そうという崇高な実践的言葉になっている。カントは「理性」が発する愛を、例えば人間を手段として扱わないで目的として接することを「定言命法」として論理的な義務と考えていた。賢治もまた自らの自由意志として「世界がぜんたい幸福を」目指すことにより「個人の幸福」も実現するのであり、賢治は世界と個人の幸福が一致するところに「ほんとうの幸福」を見出していた。そのような自らの道徳的な義務のようにかなり核心的に語っていた。これはカントの『実践理性批判』で論じられている「最高善」や最晩年の「永遠平和」の構想力の影響が濃厚にあったのではないかと私は推測している。次のような観点で『沖縄・広島・長崎からの永遠平和詩歌集』に参加して欲しいと願っている。


①沖縄戦では沖縄人を巻き込んだ地上戦が行われて24万にも死者が犠牲になったが、これを語り継ぐ作品。
②広島・長崎原爆投下の被爆者たちの放射能被害の実相とその後の人生の苦難の足跡を辿る作品。
③二度と世界中で広島・長崎原爆投下を繰り返さないためには、今日において何が最も必要かを問い掛ける。
⓸パレスチナとイスラエルの報復の連鎖を止めて、「永遠平和」を実現するためには、表現者たちはどのような原点に立ち還り作品を表現するのか。
⑤ロシアによるウクライナ戦争は隣国を侵略しインフラを破壊し子供たちを奪う行為をいかに問い続けるか。
⑥永遠平和の理念は日本国憲法第9条に生かされている。永遠平和を目指すためには9条の価値を再確認したい。
⑦永遠平和には兵器を減らす軍縮が必要だが、世界情勢は無制限の軍拡競争を煽っている。それでいいのだろうか。
⑧大量殺戮兵器の核兵器、ミサイル、ドローンやロボット兵器などの最新の科学技術を武器に転用させない仕組み。
⑧地球の環境破壊で最も深刻なものは戦争の大量破壊兵器の使用であり、その歯止めのために何が必要か。
⑩文学・批評にとってカントの「永遠平和」や賢治の「ほんとうの幸福」とは何かに独自な観点で応えて欲しいと願っている。




『沖縄・広島・長崎からの永遠平和詩歌集 』(日本語版/英語版)公募趣意書

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